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医療法人の登記事項届の様式・記載例

登記申請書類のサンプル

医療法人の登記事項届について、具体的な様式と記載例を解説します。
登記事項届は、以下のケースで提出が必要となります。

1、定時業務(決算届のみの年)
2、定時業務(役員改選の年)
3、臨時業務(理事長交代の場合)
4、臨時業務(管理者交代の場合)

それぞれのケースについて、具体的な記載例とポイントを説明します。

登記事項届の基本

(1)記載事項

  • 法人の表示
    – 法人番号
    – 主たる事務所の所在地
    – 名称
    – 代表者氏名
  • 必須項目
    – 登記事項
    – 登記年月日
    – 届出年月日

(2)様式上の注意点

  • 日付関係
    – 右上の日付は提出日(発送日)を記入
    – 登記年月日は完了謄本を参照
    – 日付の整合性に注意
  • 押印関係
    – 押印が必要な場合は押印の手配
    – 修正に備えて、捨印も押印

事例別記載例

(1)定時業務(決算届のみの年)

このケースは、役員改選のない年の定時業務の例です。

登記事項届の記載例

  1. 登記事項   資産総額の変更
  2. 登記年月日  令和5年6月5日

添付書類

– 医療法人の謄本(履歴事項全部証明書)の原本

提出先

– 都道府県知事宛
※ 都道府県により異なる場合があります

(2)定時業務(役員改選の年)

理事長が重任の場合

登記事項届の記載例

  1. 登記事項   理事長の重任
           資産総額の変更
  2. 登記年月日  令和5年6月5日

必要書類

– 医療法人の謄本(履歴事項全部証明書)の原本

理事長が交代する場合

登記事項届の記載例

  1. 登記事項   理事長の交代
            資産総額の変更
  2. 登記年月日  令和5年6月5日

必要書類 ※ 都道府県により異なる場合があります

– 医療法人の謄本(履歴事項全部証明書)の原本

(3)臨時業務(理事長交代)

任期途中での理事長交代の場合の例です。

登記事項届の記載例

  1. 登記事項   理事長の交代
  2. 登記年月日  令和5年6月5日

必要書類 ※ 都道府県により異なる場合があります

– 医療法人の謄本(履歴事項全部証明書)の原本

提出に関する実務ポイント

(1)提出時期

  1. 定時業務の場合
    – 登記申請日から概ね1ヶ月以内に遅滞なく提出
  2. 臨時業務の場合
    – 登記申請日から概ね1ヶ月以内に遅滞なく提出

(2)注意点

  • 提出期限の遵守
  • 必要部数の確認
  • 控えの準備

(3)書類作成上の注意点

  1. 日付関係
    – 社員総会開催日
    – 理事会開催日
    – 登記申請日
    – 登記完了日
    – 届出日
  2. 添付書類の確認
    – 印鑑証明書の有効期限
    – 議事録の認証要否
    – 原本と写しの区別

具体的な事例と対応

(1)定時業務の流れ

決算期の場合

  1. 決算確定
  2. 登記申請
  3. 登記完了
  4. 登記事項届提出

役員改選期の場合

  1. 決算確定・役員改選
  2. 登記申請
  3. 登記完了
  4. 登記事項届提出

(2)臨時業務の流れ

理事長交代の場合

  1. 理事会決議
  2. 登記申請
  3. 登記完了
  4. 登記事項届提出

添付書類のチェックリスト

  • 理事会議事録
  • 印鑑証明書
  • 就任承諾書
  • 辞任届(必要な場合)

よくある質問と対応

(1)提出関係

Q1: 提出期限に間に合わない場合は?
A1: 事前に都道府県等に相談し、指示を仰ぐことをお勧めします。
Q2: 控えは必要ですか?
A2: 必ず控はいただくようにしましょう。

(2)記載方法

Q1: 登記事項の記載順序は?
A1: 複数ある場合の記載順序は特に決まりはありませんが、抜け漏れがないよう、登記申請日順または謄本に記載されている順をお勧めします。
Q2: 訂正方法は?
A2: 訂正があった時用に、捨印を押印しておきます。

実務上の注意点

(1)書類作成時の確認事項

  • 基本的な確認
    – 法人名の正確な記載
    – 所在地の正確な記載
    – 理事長氏名の確認
  • 内容面の確認
    – 登記事項の正確な記載
    – 日付の整合性
    – 添付書類の完備

(2)提出時の注意点

  • 提出前の確認
    – 記載内容の最終確認
    – 押印の確認
    – 添付書類の確認
  • 提出時の準備
    – 提出部数の確認
    – 控えの準備

まとめ

登記事項届の作成・提出にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。

  1. 記載内容の正確性
    • 登記事項の明確な記載
    • 日付の整合性確保
    • 添付書類との整合性
  2. 提出時期の遵守
    • 期限内の提出
    • 関連手続きとの調整
    • 余裕を持った準備
  3. 添付書類の完備
    • 必要書類の確認
    • 有効期限の確認
    • 原本と写しの区別

都道府県により要件が異なる場合がありますので、事前確認を怠らないようにしましょう。
特に臨時の変更の場合は、提出書類や手続きについて、管轄する都道府県等に確認することをお勧めします。

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事務所代表・記事監修
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中村 弥生(なかむら やよい)

渋谷区の医療法人の事務長として、総務・経理・各種手続き業務を統括。
退職後、税理士事務所勤務を経て、2006年に行政書士事務所を開業。以来、医療法人専門の行政書士事務所として業務を行っている。
現在、行政書士向けに「医療法人の行政手続き実務講座」を開講中。
2025年1月、書籍「はじめてでもミスしない いちばんわかりやすい医療法人の行政手続き」を出版予定。

【実績】 医療法人の設立100件以上、定款変更300件以上。保健所、厚生局手続き300件以上。役員変更や決算届出等2,000件以上。

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